Photos by WSL. Text by colorsmagyoge.

QS4000 WOMENS winner, Minami Nonaka.

フィリピンのサーフィン発祥の地として知られるバレルのサバンビーチを会場にQS4000とLQS1000が同時開催された”Baler International Pro”は現地時間と日本時間の11/22(土)にファイナルデイが終了となった。

注目の日本人選手たちの活躍は、QS4000 MENSで西優司、WOMENSで野中美波が優勝!

LQS1000 WOMENSは田岡なつみ、が優勝を果たした。

LQS1000 MENS winner, Rodelio Jr Esquievel.

大会を通して好調なパフォーマンスを魅せた西優司

QS4000 MENS winner, Yuji Nishi.

QS4000 MENSで優勝の西優司は、セミファイナルでパリオリンピック日本代表の稲葉玲王に逆転して勝ち上がり、ファイナルでは現在QSアジア・ランキング1位の小林桂を抑えて優勝。

この勝利により、QSアジア・ランキング5位に浮上し、2026年CS出場権を射程距離内に収めた。

浜松でのQS2000で自身初のQS決勝進出を果たし、台湾で開催されたQS6000を5位でフィニッシュ。

今回の優勝は西優司にとって大きな一勝となった。

「前回のフィリピンのクラウド9と台湾でのQS6000からずっと試合が続いてい日本に帰ってません。」

西優司は言った。

「海外、世界中を旅していましたが、最後の最後に初めてQSで優勝することができて本当に嬉しいです。スポンサーの方々には毎日電話やメールをしていました。コーチも本当に支えてくれました。この3つの長い大会はそれぞれが自分にとってスタートでしたが、結果として5位と1位を獲得することができました。ここまで来られたのは本当に皆さんの応援のおかげです。この精神をキープしてこれからもベストを尽くしていきたいです。」

大会を通してハイスコアを連発した西優司は、不規則なバレルのビーチブレイクでフロントサイド、バックサイド共にパワフルかつプログレッシブなライディングを披露した。

ファイナルでは今シーズン5度目のQSファイナル進出となった小林桂を相手にリードを保ち、合計12本の波を掴んだ小林桂に逆転する隙を与えなかった。

昨年の同大会に続き、野中美波が2年連続優勝!

QS4000 WOMENS winner, Minami Nonaka.

QS4000 WOMENS優勝を果たした野中美波は、ファイナルで川瀬心那と対戦。

昨年の同大会でも優勝を果たしていたことから2年連続での優勝を決める形となった。

24歳の野中美波は今回の優勝により今シーズン2度目のQS優勝、通算5度目のQS優勝を果たしました。

2021年のCSが始まって以来、毎シーズンCSに出場している野中美波は、この一勝によってQSアジア・ランキング3位というポジションをさらに確固たるものとし、2026年CS出場資格を圏内に収めた。

「ここの波は地元の波に似ているので好きです。」

野中美波は言った。

「またここで優勝できて嬉しいです。川瀬心那とは千葉でいつも一緒にサーフィンをしていて、彼女がどれだけ素晴らしいサーファーなのかわかっていたので、そんな彼女と一緒にファイナルで対戦して優勝することができて本当に嬉しいです。応援してくださった皆様、ありがとうございました。今回は色々な感情を抱えながら戦ったので、優勝できて本当に嬉しいです。」

川瀬心那はファイナルヒートの序盤から積極的に波を掴んで攻め続けた一方で、野中美波は粘り強くいい波を待ち、ヒートの3分の1を過ぎた頃に最初のグッドスコアをマーク。

立て続けに2つのグッドスコアを揃え、一気にリードを奪うと、さらに今大会におけるWOMENSベスト・シングルスコアとなる8.00ptというエクセレント・スコアを叩き出した。

決勝で野中美波がマークした2つのハイスコアは、いずれも鋭いバックサイド・アタックによるもので、パリオリンピック日本代表選手の松田詩野を破ったセミファイナルでも素晴らしいバックサイド・サーフィンを披露した。

LQS1000 WOMENSは田岡なつみが優勝!

LQS1000 WOMENS winner, Natsumi Taoka.

2024年LTランキング5位と世界のトップ5に輝いた実績を持つ田岡なつみは、ファイナルで井上桜と対戦。

新品のボードに乗り換えたことが功を奏したのか、田岡なつみは鋭いレールターンと長くクリーンなノーズライドを織り交ぜたライディングで8.50ptというエクセレント・スコアを早々に叩き出すと、バックアップに7.25ptというハイスコアをまとめてトータルスコア15.75ptを記録。

井上桜を相手に圧勝する形となった。

「優勝できて本当に嬉しいです」

と田岡なつみは語った。

「今年はあまりうまくいかず、ヒートで負けることが多かったのですが、今回のファイナルではたくさんいい波を掴んで自分のリズムに乗ることができました。前半はスコアを取ろうと決めていたので、予定通りのスコアを出すことができて良かったです。波が来た時は、分厚い波が多く、しかも何本も重なっていたので、テイクオフした時は速いかなと思ったのですが、意外とうまく抜け出してインまで行けたので、かなりいい勝負になったと感じています。」

田岡なつみは今回の優勝で自身のキャリアにおける通算9度目のロングボードツアー優勝決め、QSアジア・ランキングで首位に返り咲いた。

残るQSアジア・シリーズは中国の海南島を舞台に現地時間の12/11(木)から12/17(水)までを開催期間とするQS4000″WSL International Wanning Corona Cero Pro”のみ。

果たして最終的に2026年CS出場権およびLT出場権を獲得するのは誰なのか!?

中国でのQS4000の結果に注目したい。

>>WSLオフィシャルサイト

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ