Movie & Photos by WSL. Text by colorsmagyoge.

 

カリフォルニアのロウワー・トラッセルズを舞台に、今シーズンのCTランキングトップ5の選手のみで行なわれるワールドチャンプ決定戦WSL Finalsが、現地時間の9/15(水)に無事終了となった。

MENSはGabriel Medinaが3度目の、WOMENSでは東京オリンピック金メダリストのCarissa Mooreが5度目のワールドタイトルを獲得!

今シーズン初の試みとなったWSL Finalsは、また例年のワールドタイトル争いとは一味違った興奮を与えてくれた。

 

Gabriel Medinaは今回のワールドタイトル獲得でTom Curren、Andy Irons、Mick Fanningといった3×ワールドチャンプたちと肩を並べることとなった。

通算CT16勝、通算CTファイナル進出29回。

2014年に最初のワールドタイトルを獲得し、2018年で2度目を、それ以来は毎年CTトップ5に君臨し続けてきたその実力はまさに世界トップの中のトップと言って過言ではないだろう。

“これが自分の最大の目標でした。”Gabriel Medinaは言った。”夢は毎日実現できるものではないので、今日は自分にとって特別な日になりました。永遠に思い出し、子供たちに語り継いでいく日になりました。今年は本当に激しく精神を削られる部分があるシーズンでした。忍耐力をもって一生懸命取り組み、サーフィンと向き合わなくてはいけませんでした。本当にたくさんサーフィンの練習をして今回のワールドタイトルを掴み取りました。”

 
Men’s Match 1: Conner Coffin (USA) 15.00 DEF. Morgan Cibilic (AUS) 9.84
Men’s Match 2: Filipe Toledo (BRA) 16.57 DEF. Conner Coffin (USA) 14.33
Men’s Match 3: Filipe Toledo (BRA) 15.97 DEF. Italo Ferreira (BRA) 12.44

Men’s Title Match, Heat 1: Gabriel Medina (BRA) 16.30 DEF. Filipe Toledo (BRA) 15.70
Men’s Title Match, Heat 2: Gabriel Medina (BRA) 17.53 DEF. Filipe Toledo (BRA) 16.36

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東京オリンピックでは金メダリストに輝き、アメリカ代表チームのホストタウンとなった静岡県牧之原市では日本語でお礼のスピーチをしたり、日本における熱狂的ファンを急増させたCarissa Mooreは、今回5度目のワールドタイトルを獲得。

 

その中でも連続してワールドチャンプに輝いたのは、彼女のキャリアの中でもこれが初めてのこと。
2本先取の3本勝負形式で行われた今回のWSL FInalのワールドチャンプ決定戦では、1回戦目をTatiana Weston Webbに先取されてしまったものの、2回戦目のヒート開始早々にエクセレントスコアを叩き出したオープニング・ウェイブから勢いを取り戻し、3回戦目に至るまでその芯の強さを魅せつけ、文句ナシのワールドタイトル獲得を決めた。

“とても長い一年であり、とても長い一日でした。”Carissa Mooreは言った。”今日は思っていたようなスタートが切れなかったので、Tatiana Weston Webbに負けた最初のヒートを終えた後、メルトダウンしそうになりました。でも最善を尽くして心からサーフィンしたことがうまく行きました。ワールドタイトルを獲得できたことは本当に特別なことです。これ以上何も求めません。”


Women’s Match 1: Johanne Defay (FRA) 12.17 DEF. Stephanie Gilmore (AUS) 6.70
Women’s Match 2: Sally Fitzgibbons (AUS) 11.33 DEF. Johanne Defay (FRA) 6.66
Women’s Match 3: Tatiana Weston-Webb (BRA) 13.17 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 11.73


Women’s Title Match, Heat 1: Tatiana Weston-Webb (BRA) 15.20 DEF. Carissa Moore (HAW) 14.06
Women’s Title Match, Heat 2: Carissa Moore (HAW) 17.26 DEF. Tatiana Weston-Webb (BRA) 15.60
Women’s Title Match, Heat 3: Carissa Moore (HAW) 16.60 DEF. Tatiana Weston-Webb (BRA) 14.20

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例年のCTとは違い、今シーズンのトップ5の選手のみを招待選手とし、5位が4位と1回戦目を戦い、そこで勝ち上がった選手が3位、2位の選手と戦い、2本先取の3回戦で優勝を決めるワールドチャンプ決定戦というまったく新しいフォーマットを採用した今シーズンのCT戦。

その大舞台が世界一プログレッシブな波と評されるロウワー・トラッセルズであったことから、アクション系の波が多い日本をベースとする日本人サーファーにとっては見どころ満載な1戦となったことは言うまでもない。

しかし、その反面、例年のCT最終戦の舞台であったパイプラインで見ることができるような危険と隣り合わせなあの波だからこそのドキドキ感と感動は薄かった気がする。

加えて、トップ5以外の選手が省かれてしまったことによって、それ以外のスター選手たち、例えば日本のサーフィンファンにとっての五十嵐カノアの応援ができなかったことも残念であり、それは例えばポルトガルやフランスといったCTサーファーを持つ他国のサーフィンファンにおいても同じく、多少興味が薄れてしまう部分となったことは否めない。
やはり世界最高峰のワールドチャンプはパイプラインのような本当の聖地的な波で決めて欲しいし、CT

サーファー全員が参加しておのおののドラマを垣間見ることができる例年のCTの方が見応えあると感じてしまったcolorsmagにとっての2021年WSL Finalsとなった。

 

>>WSLオフィシャルサイト

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ