Photos by colorsmagyoge & yasushi photos. Text by colorsmagyoge.

 

8/4(土)。

2020年東京オリンピックのサーフィン会場である志田下を舞台に、NSA AAグレード”志田下オープン”が開催された。

今年で4度目の開催を迎えた本イベントは、志田下をホームブレイクに2015年に日本人として初めてUS OPEN優勝を果たした大原洋人の快挙を若い世代に受け継いでいきたいという熱い想いのもと誕生したコンテスト。

まだ4年目であるにも関わらず、すでに18歳以下の世代にとって”BILLABONG Super Kids Challenge”などのWSL Japan主催のスーパーキッズシリーズと肩を並べるほどのトッププロへの登竜門的ビッグイベントとして成り立っているのが特徴だ。

毎年ジュニアクラスの優勝者にはHURLEYチームがハワイで毎年行なっていたHURLEY合宿に参加できる権利が与えられるなど、他の大会にはないビッグチャンスを掴めるのが本イベントの特筆すべき点で、今年のジュニアクラスの優勝者にはHURLEYの物品支給1年分(ライダーではない)という最高の商品が用意された。

 

そのことから全国から各エリアを代表するトップ選手たちが集結!

大会当日は腰前後の形のいい波に恵まれた中、キッズ、ボーイズ、ジュニア、ガールズの4クラスが行われ、各クラス共に誰が勝ってもおかしくないほどハイレベルなライディングが連発された。

今回はそんな志田下オープンのcolorsmag的現地リポートをお届け!!

小学生とは思えないほどハイレベルなキッズクラスを制したのは伊豆出身の松本浬空。日本のキング大野Mar修聖を想起させるライディングの数々は強烈に印象深かった。末恐ろしい鬼要チェックキッズサーファー。Kids Winner, Riku Matsumoto.

ボーイズクラスを制したのはファイナルでフロントサイドのエアリバースをメイクして会場を沸かせた鵠沼出身の矢作紋乃丞。この世代ではずば抜けたスタイリッシュさとリスキーかつクオリティーの高いリップアクションが武器。Monnojo Yahagi.

 

まさにプロ予備軍とも言うべきハイレベルな戦いとなったジュニアクラスを制したのは宮崎出身の増田来希!7月に鵠沼で開催されたWSL Japan主催”Super Kids Challenge”でも優勝を果たし、まさにジュニア世代の登竜門的ビッグイベントで2連勝を挙げた。Raiki Masuda.

 

左から増田来希、中央・谷内太郎、右・寺田文太のGrace surfboardsチーム。増田来希が幼い頃からその才能を見出し、サポートし続けているGrace surfboardsのシェイパーであり、プロサーファーでもあり、狂気のパイプライナーでもある谷内太郎氏。そんな谷内太郎氏の元、増田来希の背中を見ながら急成長中の寺田文太もcolorsmag的要チェックな一人。From left, Raiki Masuda, Taro Taniuchi, Bunta Terada.

 

ガールズクラスを制したのはファイナルまで終始グッドライドを連発し、安定した試合運びを見せた中塩佳那。紛れもなく日本サーフシーンにおいて未だかつてないハイレベルさに達している現代の10代のガールズサーフシーンを代表するひとり。Kana Nakashio.

 

会場には大原洋人をUS OPEN優勝へと導いた日本が世界に誇る名コーチであり、米SURFER magazineが主宰する世界のサーフ史をまとめるEOSにも日本を代表する世界的プロサーファーとして掲載されているリビング・レジェンド糟谷修自(右)をはじめ、志田下が生んだ天才プロサーファーであり、コーチとしてもその才能を遺憾なく発揮している田中樹(左)も来場。中央に座るのは今大会の中心人物である鵜澤清久はMCを務めた。From Left, Shuji Kasuya, Kiyohisa Uzawa, Izuki Tanaka.

 

表彰式が行われる前にはビーチクリーンも実施。自分たちがサーフィンを楽しむフィールドである海に感謝。BEACH CLAEN.

 

ジュニアクラスでの優勝こそ逃し、3位に甘んじたものの、本イベントにおけるベストスコア賞を獲得した藤沼桂太郎。カリフォルニアでRob Machadoの家にステイして修行に励んだ成果が徐々に表面化し始めたのか、今後さらに恐ろしい存在になるに違いない要チェックサーファー。Keitaro Fujinuma.

 

ファイナル後半戦に掴んだレギュラーの波がハイスコアに繋がったが、バックアップをまとめ切ることができず、ジュニアクラス2位となった照屋凛助。Rinsuke Teruya.

 

大阪出身の岸本竜海は激戦のジュニアクラスで4位入賞。全日本サーフィン選手権大会での活躍にも期待がかかる!Tatsumi Kishimoto.

 

ファイナルでは思うようにいい波をつかめず、苦戦を強いられた中、持ち前のパンチの効いたターンでスコアを伸ばし、2位となった3KATOの次男・加藤翔平。伊良湖で開催されたJPSAでは弱冠14歳にしてプロ資格を獲得するも現在保留中。今後の成長と活躍が楽しみなcolorsmag的鬼要チェックサーファー。Shohei Kato.

 

ジュニアクラス2位となった加藤翔平の弟にあたる3KATOの三男・加藤賢三はボーイズクラスで3位入賞。こちらも兄同様、鬼要チェック!Kenzo Kato.

 

上手くなりたい一心で千葉へ移住して以来、普段から練習している志田下が会場だっただけに優勝を逃したことが本当に悔しそうだった長沢侑磨はボーイズ2位に。この悔しさをバネにさらなる成長を遂げてくれるに違いない期待のひとり。Yuma Nagasawa.

 

多くのトッププロを輩出し続けている日本指折りのサーフシティ茅ヶ崎出身の岡野蓮はキッズクラス4位入賞。グランドチャンプ大澤伸幸、サーフスター大橋海人や湯川正人をはじめここには挙げきれないほど多くの先輩たちからいい部分をどんどん吸収し、今後どんな成長をみせてくれるのか楽しみなひとり。Ren Okano.

 

ファイナルではヒート前半に形のいいグーフィーを掴んだものの、その後が続かずボーイズ3位となった佐藤利希。パワフルかつ切れ味鋭いリップアクションが一際光っていた。Riki Sato.

 

腰前後の小波だった本イベントにおいてさらに波数が減ってしまったファイナルでは勝ちたい気持ちが前に出過ぎてしまい、インターフェアを2度犯してまさかの退場となってしまった鈴木耀俊。攻撃は最大の防御。失敗は成功の元。次なる活躍に期待!Yoshun Suzuki.

 

ガールズクラスで2位入賞を果たしたのは岡田小夢希。先日伊良湖で開催されたJPSAでトライアルラウンドからファイナル進出を果たし、見事プロ資格を獲得した馬庭彩と松永莉奈の2名を抑えての今回の結果を残した注目すべきアップカマー。Koyuki Okada.

 

常に向上心を忘れないストイックな姿勢からはアスリートとしての気質を感じずにはいられない実力派ガールズサーファー馬庭彩は今回ガールズクラス3位に。最大の敵は対戦相手でも海でもなく、己の中にあり。さらなる成長と活躍に期待!!Sai Maniwa.

 

綺麗なボトムターンから繰り出されるリップアクションを武器に難なくファイナル進出を果たしたが、ファイナルでは海とのリズムを合わせることができず4位となった松永莉奈。馬庭彩と同じく伊良湖のJPSAでトライアルラウンドからファイナル進出を果たし、プロ資格を獲得した実力を持つ鬼要チェックなガールズサーファーのひとり。Rina Matsunaga.

 

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【大会結果】

キッズクラス
優勝 松本浬空
2位 長沢侑磨
3位 加藤賢三
4位 岡野蓮

 

ボーイズクラス
優勝 矢作紋乃丞
2位 加藤翔平
3位 佐藤利希
4位 鈴木耀俊

 

ジュニアクラス
優勝 増田来希
2位 照屋凛助
3位 藤沼桂太郎
4位 岸本竜海

 

ガールズクラス
優勝 中塩佳那
2位 岡田小夢希
3位 馬庭彩
4位 松永莉奈

 

ベストスコア賞 藤沼桂太郎

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yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ