
Photos & Text by yasukaku.

オルタナティブ・ボード好きが多くを占める日本のサーフシーンにおいても、かなり気になっている人が多いであろうシングルフィンの世界的ビッグイベント”Billabongバーレー・シングルフィン・フェスティバル(Burleigh Heads Single Fin Festival)2025″。
今シーズンは仲村拓久未と安室丈がBILLABONG Japanを代表して参戦し、現地オーストラリアを拠点とするプロサーファー相澤日向がOpen Mensで日本人プロとして初めて表彰台に上がり、5位という結果を残すなど、より身近になってきたこのイベントをもう少し深掘りするべく、オーストラリアを拠点とするcolorsmagの先輩サーフ・ジャーナリストyasukaku氏によるリポートをお届け!
このフィスティバルの雰囲気を横からサクッと!
毎年、新年早々にこのお祭りのようなコンペが行われ、AUS・GCの真夏を感じる。
そう、ご存知の方は多いだろうが、こちらの季節は日本と真逆で+1時間の時差となっている。
このイベントは、ビランボン・オーストラリアがバーレーヘッズ・ボードライダーズのメインスポンサーとなり、オールドスクールな歴史を感じるショートシングルフィンで競い合うものなのだ。
無造作に置かれた数々のボードは年季と気合が刻み込まれている。
これらのボードを見ているだけでもサーフィン好きにはたまらない。

参戦選手の名前が記されたヒート表を見ると、名だたるレジェンドたちの名前、オッキー、トム・キャロル、パーコ、オージー・ライトにディンゴの面々、更にさらに多くの方々。
そして、現代サーフシーンを引率しているオーストラリアトップサーファーたちの名前がずらりで、ここにあげたらキリが無い。
でもこのコンテストはいつもどこかゆるさと楽しさを感じられる。


シングルフィンから遠く昔のサーフの根源を感じ
波に乗るという幸せがここにあるのだなと思わせてくれる。
そんなこんなで、ヒートに目を向けると、オージーサーファーたちはとにかくサーフィンが上手い。
どんどんと日々進みゆくサーフボードシステムの現代において、このリペアをしまくった百戦錬磨なボードたちを自在に操り、見事なレールワークでリッピングを披露していた。


あいにく雨の空模様は続き、小波のコンディション、ピーカンの太陽を浴びながらバーレーの丘の芝生でまったりゆったりとはいかなかったが、大会会場にはフードバンやアイスクリームバンの出店もあり、ビールを片手に仲間たちとの会話やサーフ談義で盛り上がっていた。
このなんとも言えないリラックスな雰囲気のバーレーヘッズ、実に心地のいい場所なのである。
日本からも仲村拓久未、安室丈、田中透生、そして今大会5位の座を勝ち取ったGC在住の相澤日向たちが参戦し、いつものスラスターでの試合とはまた違った体験だったのではないだろうか?
そして、1月17日(金)には、相澤日向のサーフムービー上映会がここバーレーのHard FIZZ Taproomで行われた。



今回、私事で時間が割けず、初日の数時間しかこの場に居れなかったのだが、このレトロ感のある空間にハイパフォーマンスのサーフィンを見ることができ、”波に乗る”ということがどういう事なのか?
そして、サーフィンというものがスポーツであり、娯楽でもあるという事を改めて感じさせられた。
サーフィンとひと言で言っても、多くのスタイルがあり、多種多様なボードがある。
自分自身がどのように波と遊んでいくのかは、あなた自身が決めることであり、こうでなければいけないというものはないのでは?
とにかく、オーストラリアには豊富な波のうねりが届き、年間を通してビーチレジャーの恩恵を受けることができる。
ある意味、サーフィンが生活のすぐそばにあり、ここがサーフ大国である事をしみじみと感じさせてくれるゴールドコースト、私はここが大好きなのである。
来年はもっとシングルフィンそのものに迫ったインタビュー、特性や乗り方などもレポートしたい!
編集者プロフィール:
加倉井靖典
サーフィン雑誌 SURF1stの編集ライターを経てフリーになりBlue.やSurfing Life、そして女性誌等を手掛けてきた。現在オーストラリアのGCに在住しバーテンダーをやりながら、写真と編集で瞬間を切り撮り、それを発信し続けてている。
Instagram : @yasukaku @grandfphotography