Interviewer : TAKAKO OKADA.

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2018年。

サーフィンでいうWSL主催のCTにあたるプロボディーボードの世界ツアーAPB(The World Bodyboard Tour)において、日本人女性プロボディーボーダーの鈴木彩加が日本人としては史上初となるワールドチャンピオンに輝いた!

未だサーファーが達し得なかったこの歴史に残る偉業を成し遂げたそんな彼女は、WSLのCT最終戦”BILLABONG PIPE MASTERS 2018”で脇田貴之プロと共に日本語放送のMCを務めたりと、サーファーにとっても馴染み深い存在となっているが、今回はそんな彼女の素顔にもう一歩近づくべく、スペシャルインタビューを決行!

日本が世界に誇る波乗人、ワールドチャンピオン鈴木彩加に迫る!!

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Q ワールドタイトルを獲得した時はどんな思いでしたか?

良かった!安心、一仕事を終えた感じですが、日本人として初めてマリンスポーツで世界チャンピオンを取って、日本に帰ってきた時のリアクションが弱かったのが悲しかった。ボディーボード業界が低迷している、その業界人達がもっと喜んでくれてもいいと思う。 私がつくった世界でなく、ボディーボード業界を作った人達、日本に世界タイトルを持ってきたのに、もっとたくさんの人に喜んでもらいたかった、もっと動いてくれてもと思い、自分で動いていきます。

 

Q 今後の目標はなんですか?

2019年は2度目のワールドタイトルも狙います。

やれるところまでやります。 私自信がやりたいこと、私のライフスタイル、私の考え、思う事、見たもの、感じたものを発信、伝えていきたいです。

映像の配信に力を入れます、写真には限界があり、今までの彩加は真面目な感じなので、試合意外の部分、生き方を楽しんでいるプライベートなシーンを出します。鈴木彩加流 人生の楽しみ方を伝えていきたい !!

真面目なだけでは勝てない、ボディーボードを通して、もっと広い世界を見て体験して、いろんな人、多種多様な人達と一緒にいて、学ぶことが多かった。

“ コーヒーをこぼした時にどう思うか ?

新しいコーヒーが飲めるじゃん!冷めてたので、丁度良かった “

一番ポジティブな状況になることを、考えるようにします!

ポジティブに変換することを深井コーチ(ハヤシスポーツクラブ所属・神奈川県茅ヶ崎市)から学び実践しました。海外でもポジティブなアスリートから学ぶことが多かった。日本から出たかったのは、ネガティブな感じが嫌でした。何も得るものがなかったし、自分のことを悪く言ったりする人もいたので。その環境よりも、海外で過ごす自分が自分らしくいれることが楽しく、試合にも集中できました。文句をつける人がいない、ストレスなく自分らしくいれる環境がとてもあっていました。外国人は人と比べない、オリジナルでいればいい。日本だと比較する人しかいない、何でも比較して、自分が自分でなくなる、海外のコミュニティーでの時間を大切にして、ワールドタイトルを狙います。

 

“ 私はマウイのジョーズでボディーボードする最初の日本人になります!!”

サーフィンでも難易度が高いビッグウェイブスポット、パイプライン、プエルトエスコンディード、ジョーズにボディーボードでチャージします。ジェットを使わず挑戦するのが本気、本物のビックウェーバーだと思っています。それで死んでもいいです。そのぐらいの気持で私もやっています。現場のビッグウェーバーはそういう人達です。ジェットを使う人はいない、ベストを装備してますが、自分でパドルして自力で戻ってきます。ボルドガルのナザレに、マイク・スチュアートがベストなしでパドルして波に乗って、戻ってきます。カラ二 ・ラタンシーはボディーボード、ボディーサーフィン、ベストなし、自分でパドルして戻ってくる、本気でボディーサーフィンして戻ってくる。そういう人達を私はとてもレスペクトしています。アンダーグラウンドなサーファーがプエルトエスコンディードにも多いです。

ボディーボードでのビックウェーブチャレンジについて、多くの日本の人たちに、危ないよ、行けないよ、無理でしょ! 固定概念で危ないと言われました。恵まれた環境で、安全第一のサーフィンだけの世界の声です。

私は、海でも、トレーニングについても意識が違います。子供のうちから、サバイバル、やり切る力を身につけているかどうか。言ったら絶対にやります!! 新しいことをやるプロボディーボーダーです! 彩加流!やっていきたいです!!

Q.ボディーボードの魅力について

自然と一体になれること、自然を肌で感じれること

Q.スポーツとしての魅力

アクロバティック、マリンスポーツの中でジムナスティックの要素が強いと思います。やればやるほど難しいスポーツです。

Q.ライフスタイルについて教えてください。

ボディーボードの女の子の要素は大好きなのでフル活用しています。

トレーニングウエアがとても好きでいろいろ集めてます。ブーツも好き、スニーカーも好きです。見られることを意識しているので、海外でも試合があってもヒールを履いて、ファッションアイコンでいたい自分がいます。アスリートだからジャージを着る必用はなく、化粧をしていてもいいと思うし、アスリートの固定概念を壊したい。ネガティブなことを言われることもありますが、そんなことも気にせず、ワールドタイトルを取りたかった。

海のスポーツは、仕事に行くことも、プロ意識、見られることの意識が欠けている感じがします。トップモデル、トップアスリートの世界は華やかです。

常に見られてもいい準備をして、ジャージにパーカーはダサいと思います、もっと綺麗でいること、美意識が高くてもいいと思っています。

美しさは自信だと思います。自信あふれたオーラ、もっと身にまとって優雅にできる。日本は内側に自信がない、内側から出る自信を自分に身にまとっている女性はグローバルレベルで素敵だなと思うし、常に私が意識していることです。スッピンジャージは本当に自分の部屋だけです 笑。

 

私を強くしたのは、スーパーアウェーでいること。とても楽しかった、アウェーでいる自分がかっこよかったと思います。応援してくれる人も増え、お帰りと言ってくれる友人も海外でできました。試合で行く南米エリアには、普通という概念がない、みんながバラバラ、スーパー自信家、スーパーポジティブ!  日本ではトレンド、常識や習慣があって、コミュニティーに属していないと外れものにされる。いろんな国に行って、いろんな世界で、いろんな人に会う方が選択肢が広がり、自分に自信がつきました。

私は自分のライフスタイルを発信していきたいです。
自分のブランド、アパレルをつくってみようと思っています。

テーマは、無敵。無敵な状況、バターは溶けていても美味しい。カタチがなくても、人はオリジナルなカタチ、

人と比べなくてよいのが無敵なカタチ、

あなたは、あなたのカタチがあって、それは素晴らしいこと

人と比べることは敵をつくること

仲間もいなければ、敵もいない、常に自由でフレキシブルに対応できる。

そんな無敵ジャケットを作ろうと思っています。

将来のライフスタイルは独立して女社長、結婚して子供が2,3人いたら素敵ですね!笑 もちろんボディーボードを、死ぬまでしていると思います。

夢の中でもしているので、死んでもやっていると思います。

 

鈴木彩加 プロフィール:

8歳でボディーボードをお母さんと一緒にはじめ、試合は9歳から。茅ヶ崎市市長杯で小学生の部で3位、10歳で支部予選に出場。全日本に小学校5年生で出場。 2009年の中学2年生の時NSAグランドチャンピオンズゲームで優勝し、中学3年生時にプロツアー1戦目で優勝し、プロに転向。世界のプロツアーに参戦、ブラジル バイヤでの大会に参戦。20~30代の海外選手とのパフォーマンス、体力の差を感じ、ハヤシスポーツクラブに中学生で通いはじめ、高校生ではトレーニングをしながらアルバイトで働く。高校3年間は大会で入賞はできても優勝ができない、18、19歳でも思うような結果が出せない状況が続く。ハヤシスポーツクラブ所属の深井コーチに会ったのは19歳、フィジカルとメンタルににおいて徹底的にトレーニングを受ける。20歳になり、2015年の湘南オープンで優勝、ワールドツアーの最終戦ナザレで優勝し、2016、17、18年はワールドツアーにフォーカスする。2017年、2018年は、ハワイ、メキシコ、ブラジル、チリ、オーストラリア、インドネシア、ポルトガル、スペインなど、1年の10ヶ月以上は海外のサーフスポットで過ごす。2018年10月に日本人初のボーディーボードでワールドタイトルを獲得。WSLパイプラインマスターズ2018 日本語放送のキャストを務める。

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ