Photo by NAKI. Movie & Capture by colorsmagyoge. Text by yy.

 

アンダーグラウンドでクラッシックなサーフカルチャーが今でも息づくサンディエゴ。
そのなかでもオーシャンビーチの先にあるサンセットクリフは、様々なリーフで形成されたスポットが数マイルに渡り続く、ウィンターシーズンに本領を発揮するカリフォルニアでも屈指の地域である。
この地域ローカルの暗黙ルールは、ノーリーシュ、ブラックウエットスーツ、そしてステッカーの貼ってない白い板。
そんなクラッシックなカルチャーをベースに育った生粋のサンディエゴ育ち19歳のネイサン・ストロームが、真夏の照り返しがかげろうを生む日本に先日訪れた。
Nathan Strom.
まだ19歳でもあるネイサンは同年代サーファー達とくらべると、ずいぶんしっかりした印象を持ち、また育った環境の影響だろうか、年齢におおよそ相応しくないスタイルを持ち、カリフォルニアのロングボードシーンに於いては数年前より注目されているサーファーである。
彼を幼少の頃よりケアしてきたジョエル・チューダーの影響もあるのであろうか、サーフィンの歴史や板の知識に関しては、君はいったい何歳なんだいと?聞き返したくなるくらいの深い洞察と知識を持っている。
今回はじつに一年振りの来日ではあるが、MURASAKI SHONAN OPEN ロングボード・スタイルジャムに出場したのち湘南ビーチカルチャーや渋谷の喧騒を味わった後に、ロングボーディングにはパーフェクトな日々が続く瀬筒雄太が居を構える千葉へと、ネイサンと同じRVCAのアドボケイトでもあるショーロクこと宮内謙至とともに訪れた。
Yuta Sezutsu.
おりから吹き続ける南風の影響で水温は少し低くなってはいたが、肝心の波は腰腹程度の波数百メートル続く、まさにログウェーブ。
宮内謙至、瀬筒雄太に続き、Naki Surfを運営する国内外きっての独創的なサーフビジョンとNaki Blogに於いて白眉な表現力を駆使する船木三秀氏も登場。
NAKI.
カリフォルニアに縁の深い彼らが交互に波をシェアする様は、まるでカーディフリーフ、サンセットクリフといった、ネイサンの地元を彷彿させるセッションであった。
ネイサンのサーフスタイルはこれでもかというほど王道クラッシックで派手さはないが、玄人好みなハングヒール、ハングテン、 グライディングは優雅で、ペリカンが海面を流れながら滑走するようでもある。
Nathan Strom.
ネイサンに続けと、ショーロク、雄太、Naki氏もグライドしながらコンスタントに入るセットを数百メートルは乗り続ける。
Kenji”Shoroku”Miyauchi.
数時間に渡るクラッシックスタイルセッションを楽しんだ一行は、日暮れ前に雄太宅にある近くのビーチにて小さいながらもクリーンなセッションを楽しんだのち、数日に渡る日本の滞在を振り返った。
まだ19歳のネイサンは限りない将来性を持つ。
恵まれた環境に甘んじることもせず、寡黙にサーフィンを続けそしてサンディエゴサーフカルチャーを継承し、さらに成長してまた日本に訪れてくれるであろう。
 MATANE!最後にいった彼のあどけない笑顔はロングボードシーンの未来もきっと明るいであろうと感じさせてくれる笑顔であった。

 

 

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ