Photos & Text by Kuniyuki”92″Takanami.
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オーストラリアを拠点に世界をフィールドに活躍する
日本人フォトグラファー92こと高波邦行。
世界的巨匠のTeylor Steeleと深い交流を持ち、
colorsmagだけでなく、雑誌、コマーシャルフォト、ファッションフォトと
幅広いシーンで活躍するそんな彼によるcolorsmag特別コラボ連載企画の
第一弾となる今回は
” Colors Magazine x 73Riders 新特集 Vol1 15年目のCross over”と題した
コラム的なアーティクルをお届け!!
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ポマードでビッとオールバックで決められたヘアスタイルに
いかにも丈夫そうな体つきの男、
モデルとしても活躍していたという男の体と出で立ちは
長年サーフィンで鍛えられたであろう風格さえも感じさせ、
僕に「こんな大人になりたい」なんて憧れを抱かせるほど魅力的だ。
この日撮影のために久しぶりに会った男の名はダーシー、
オーストラリアではレジェンドの一人でもある有名なシェイパーだ。
丁寧に整えながら長く伸びたトレードマークのヒゲはさっぱりと無くなり
若く見えるのは気のせいだろうか。
かつてはカランビンに巨大な工場を構え、
環境に配慮した最新の設備を導入していたが
ここ数年のサーフィン不況にあって多くのサーファーたちに惜しまれつつも
2012年に工場は閉鎖された。
年間1000本近い数のサーフボードをシェイプしていたという彼だが、
その後は家財の全てを引き払い、愛しの妻ミッシュと共に
世界各地へ波巡礼の旅に出た。
僕が彼と出会ったのはちょうど工場閉鎖のパーティーだった。
一度見たら忘れられないほどのインパクトを持つサーファーで、
いつの日かとばかりに彼との撮影のチャンスを伺っていたのだけど、
その2年後となる2014年、
彼らが旅からオーストラリアへと戻ると再会のチャンスが訪れた。
実は僕が20代前半の頃から
アンバサダーとしてお世話になっている日本国内ブランドがある。
73Ridersだ。
73Ridersは日本とカリフォルニアを拠点に
サーフ、スケート、ストリート シーンの世界観を伝え続け、
中でも海とストリートでのライフスタイルの表現、世界観においては
僕自身も色々な刺激を今も受け続けている。
ある日、73RidersのディレクターEJ氏から
ルックブックを作りたいとの話を受けた際に
僕がモデルとして強く押したのがこのダーシーだった。
ダーシーにこの話をすると初めは照れからか渋った表情を見せていた。
しかし、僕とEJ氏が表現したいものはリアルなライフスタイルで、
単にポーズをとって撮影するのではなく、
彼(ダーシー)の世界観を73Ridersと僕のフィルターを通じて
表現したいという強いを伝えると撮影に協力してくれるようになった。
ルックブックも1回、2回と進めるうちに、
ダーシーもその仕上がりを認めてくれるようになった。
ちなみになんだけど、ルックブックに登場するロケーションやダーシーは
すべて彼自身のフィールドで撮影していて、
ポージングも一切要求していない。
彼のライフフィールドを見せてもらって、
その中で僕が画を切り取って仕上がる写真は、
ある意味ダーシーと73riders、そして僕との
コラボレーション作品とも言えるだろう。
そこにやらせは一切ない。
今年の2015年SSからダーシーは
73Ridersのインターナショナル・アンバサダーとなった。
兼ねてから僕が熱望していた73Ridersが北半球の海を越えて、
オーストラリアに渡った記念すべき年だ。
さらに、なんと今年は73にとっても15周年目というめでたい年でもある。
15周年だからといって気張る必要ことはない。
しかしながら今後も彼らの仲間として、
自分なりの表現をダーシー、
そして73rと共に表現して行きたいって改めて思う。
僕が撮りたいものにはテーマがある。
「パッション」と「リアリティー」そして「ライフスタイル」。
「かっこいい」や、「美しい」と感じるものを
僕の光と構図で切り取り伝えてゆきたい。
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Text & Photo Kuni Takanami / www.surftripmagazine.com
Special thanks
Colors magazine
73Riders http://www.73-r.com/
Darcy http://www.darcysurfboards.com/
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