Photos & Text by colorsmagyoge.

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素晴らしく質の高かったyono peakの波でのセッションを終えると、

風が回ってきたこのタイミングを見計らい、

今度は気になるあそこをチェックしに車を走らせること数十分。

そこには、ダブル前後の激掘れぐりぐりチューブ波が待ち構えていた。

地形はかすかに形成されているが、予想以上にパキッとしておらず、

ダンパーのなかから数少ない良い波を見つけて乗るという

波を食らう確率が非常に高いややハードコアなコンディションとなっていた。

そんななか、アウトにいる数名のサーファーのなかのひとりが

見るからにダンパーそうなセットの波を掴んだ。

その波のあまりの掘れ上がりっぷりに一瞬リップにボードが張り付き、

そのまま降ってしまうか、そう見えた。

が、そのギリギリのタイミングから見事に膝を使ってボードを降ろし、

グラブレールの体勢でチューブのなかを高速でしばらく走っていき、

最後の強烈なクローズアウト・セクションのなかに突入。

つぶされたか。

そう思われた瞬間にブッシューっとスピッツが吹き出し、

その直後にチューブの中から再びその姿を現した。

そのかなり胆の座った見事なチャージっぷりと、

見事なバレルスキルに空いた口が塞がらないままでいた。

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Kaito Sekimoto.

 

 

なんとそのサーファーは、この日の朝に6ftオーバーの小磯で

前人未到の巨大チューブをメイクした関本海渡に違いなかった。

>>フロントサイド・モンスターチューブ @ 6ft小磯 by 関本海渡

そんな同じHURLEY TEAMの先輩である関本海渡の姿を目の当たりにした大橋海人は、

それを見るまでは佐藤和也と一緒に乗り気ではなかったはずが、

突然、

「良い波じゃない?全然できそうじゃん!!」

と言いはじめ、

そそくさとウエットスーツに着替えはじめた。

最後には佐藤和也に

「ブラジルに行く前には最高のトレーニングです!!」

と、見るからにゲッティングがハードそうで

たとえ良い波を掴んでもエキスパートでないとメイクできそうもない

かなり手強そうなこのブレイクを乗りこなすべく、

駆け足で海へと飛び込んでいった。

最初は小振りながらテンポよく波を数本掴み、

唸るようなチューブを連発!!

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Kaito Ohashi.

 

 

さらに4、5本目の波では、

ほぼチューブになりきったポジションを狙ったスーパーレイト・テイクオフから

そのままチューブに突入し、長いチューブライディングをメイクするという

日本人離れした世界仕込みのスキルを披露。

このセッションにおけるベストシークエンスとなったその一本は

本日のシークエンスコーナーにアップされておりますので、

ぜひそちらもチェックしてみてください。

>>フロントサイド・スーパーレイトテイクオフからそのままチューブ by 大橋海人

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f/s Super Late Take Off to Tube by Kaito Ohashi.

 

 

そんな熱過ぎるWカイトによるセッションに触発されたのは、

ハードローカルであり、

このエリアを代表するプロサーファーのひとりである早稲田暁生をはじめ、

同じくこのエリアを代表する知る人ぞ知るアンダーグランド・ヒーローである

シュウさんと武藤真広の合計3名。

このポイントでの経験豊かなそんな彼らであっても、

鬼のセットが止むタイミングをじっくりと見計らって

パドルアウトしていく。

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Shu San.

 

 

John John FlorenceとDane Reynoldsが来日した際に

湘南での伝説のセッションが繰り広げられたあの日のTHE DAYに

唯一日本人のローカルサーファーとしてゲッティングアウトに成功し、

見事なモンスターバレルをスコアした語り継ぐべき伝説のサーファー武藤真広。

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Masahiro Muto.

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Unknown surfer.

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Akeo Waseda.

 

 

もうひとりのローカルボーイ、宮原ゲンキが入水してきた頃になると

風はさらに回り、このポイントでは完璧にサイドオンショアとなってしまい、

一気にコンディションは悪化。

それを読み取った関本と大橋のWカイトは、

切りのいい所で海から上がり、これにて午後のセッションは無事に終了。

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Kaito Sekimoto.

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Genki Miyahara.

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Kaito Ohashi.

 

 

夕陽があまりに綺麗だったので

帰りしなに波チェックがてら、

イーストサイド・オブ・湘南の134沿いで車を停めた。

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あまりの美しさに、思わずシャッターを切りまくり、

そのついでに目の前で割れている様々な波にレンズを向けてみると、

左側のアウトサイドのピークから、

ダブル近いセットを掴んだサーファーがいたので

無意識のうちにシャッターを切った。

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Dan Kakai.

 

 

それは、このクラシカルブレイクの目の前で生まれ育った

生粋のロコボーイ、Danny boyこと抱井暖であった。

さらなる思いを胸に再びカメラを覗いてみると、

どうやら日本が世界に誇るパイプライナー脇田貴之プロと、

その息子でVOLCOMライダーとして将来を有望視される脇田泰地の

2名の姿を沖に確認することができた。

台風19号のセッションを、最後の最後までまだまだ終わらせまいと、

陽が暮れてもなお、

2度と訪れることのないこの瞬間を

2つとないその波に刻み込むかの如く

激しく熱いラインを描き続ける。

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Taichi Wakita.

 

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Takayuki Wakita.

 

 

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Unknown Surfers.

 

 

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太陽が昇って目を覚ましてから

イーストサイド・オブ・湘南のyono peakでの撮影を終え、

そこから西へ東へ一日中車で走り回り、気がつけば沈んだ夕陽の光が

まるで日章旗のように溢れ出す夕暮れ時を迎えたいた。

あっという間の一日。

気がつけば自分が波に乗る時間すら忘れ、

台風の波を追うサーファーたちの姿を無心になって追っていた。

次に波が上がるのはいつのことになるのか!?

そして、台風が続いた後は例のごとく波日照りが続くこととなるのか?

colorsmagのサーフィンの時間はまた改めて個人的に作るとして

とにもかくにも、一生滑走!!

素晴らしい波を届けてくれた台風19号に感謝!

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ