Movie & Text by colorsmagyoge.

多くの来日経験から日本の波をよく知り、現在は世界指折りのサーフパラダイス、バリに拠点を置くハワイアン・シェイパーのMike Wooにスペシャル・インタビューを決行。

より良いサーフボードをシェイプすることに情熱を注ぎ続けるMike Wooの職人魂とその人柄に迫る!

Q:バリに移住した経緯は?

Mike Woo(以下M):ハワイからバリに移住するのはとても簡単でした。

バリは、自分の旅を延長した唯一の場所なんです。ここは波が最高で、ライフスタイルもすごくゆったりしています。

ナイトクラブや派手な生活からは距離を置いて、ただ良いサーフボード作りとたくさんのサーフィンに集中しています。それだけです。

ハワイの家では、毎晩飲みに行こうとかパーティーに誘ってくる友達がいるわけでもなく、

ただシンプルなライフスタイルを送っています。それが自分には合っているんです。

Q.もし1億ドルあったら?

M:おそらく、ここバリに小さな工房(ファクトリー)を作ると思います。

目的は大量生産じゃなくて、研究開発専用の場所。

新素材や新しいデザインを追求して、常にいろいろ試すんです。

世界中から素材を取り寄せて、コストは気にせずに。

それがメインのやりたいことですね。

そして、たくさんサーフトリップに行くこと。

Q:サーフボードを作る上で意識していることは?

M:本当に多くの人が、それぞれ異なるスタイルを持っています。

スムーズで速くてクイックターンをする人、あるいは滑らかでスタイリッシュな人もいれば、とてもアグレッシブなサーファーもいます。

僕のボードモデルは、そうしたさまざまなスタイル、人それぞれの「求めるもの」に対応できるようになっています。

レトロスタイルやクルージング、シングルフィン、1日に3回サーフィンするコンテスト志向のサーファーから、週末に1回だけサーフィンする人まで対応できるんです。

だから、多くの異なるモデルがあって、カスタムボードも常に作ることができます。

1つのモデルだけに乗るわけじゃなくて、カスタマイズできるものに乗るということ。

すごくシンプルですよね。

結局のところ、自分がサーフィンを楽しめるように自分のために最高のサーフボードを作ること、そして、たくさんの研究と開発をすることが大切です。

なので、常に新しい素材に注目しています。

今やサーフボードのデザインは、非常に高いレベルで完成されていて、普通のボードと「素晴らしいボード」を分けるのは、ほんの小さな改良なんです。

たとえばフィンや構造、ロッカーの微調整、ボリュームやバランス。

これらはパドリングやサーフィン、そして波をたくさんキャッチする楽しさに直結します。

大きなボリュームの板に乗る必要もなくなるんです。

Q:Mike Wooのサーフボードの特徴は?

僕の強みは、日本で長い時間を過ごし、実際に波に乗ってきたこと。

どんなデザインが機能して、どんなデザインが合わないのか、その感覚を理解しているということです。

そこに、より軽量で高品質な素材・構造を加えることで、軽くて丈夫なサーフボードができあがります。

これは小波のサーフィンにはとても効果的なんです。

「軽くて長持ちする小波用のサーフボード」

これはみんなが求めている理想ですよね。

Q:日本の波でおすすめのモデルはありますか?

たとえば Krypton(クリプトン)モデル は、ヒップ(後ろの幅)が広くて、パワーのないフラットなセクションも抜けやすい非常にバランスの取れたショートボードです。

ビーチブレイクでサーフィンをする人には、日本専用に作られた Japan Gravel(ジャパングラベル)モデル が最適です。

胸サイズまでの波に向いていて、2+1のフィン設定で乗ると良いでしょう。

これは本当に優れたオールラウンドモデルです。

>>Mike Woo(スポタカ・オフィシャルサイト)

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ