Movie & Photos by WSL. Text by colorsmagyoge.

海のエベレストの異名を持ち、世界一大きな波が押し寄せる場所としても知られるポルトガルのナザレを舞台に、日本時間の2/18(火)、WSL主催のビッグウェイブ・ワールドツアー”TUDOR NAZARÉ Big Wave Challenge”が行なわれた。

25ftからセット35ftの波が押し寄せる中、世界で認められるトゥイン専門のビッグウェイバー2名1組9チームがそれぞれ2ヒートを行なって競い合った中、見事優勝を飾ったのは、MENSがClement Roseyro、WOMENSはJustin Dupont!

チーム優勝はNic Von RuppとClement Roseyroが勝ち獲った!

今大会初優勝でセンセーショナルなデビューを果たしたClement Roseyro

フランス出身のClement Roseyroは2度目の出場となるナザレでの今大会で最高得点となる7.50ptをマークして、ナザレのビッグウェイブワールドチャンプとして君臨し続けてきたブラジルのLucas Chiancaを抑えて見事MENSにおける個人優勝を果たし、センセーショナルなデビューを果たした。

Clement Roseyro. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.
Clement Roseyro. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.

「Nic Von Ruppに感謝しています。僕らは本当に素晴らしいチームです。」Clement Roseyroは言った。「特にジェットスキーの運転について、彼は僕にたくさんのことを教えてくれました。僕たちは自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮するためにお互いを高め合っています。」

Lucas Chiancaが準優勝を果たした中、今大会に欠場となった世界的レジェンド・ビッグウェイバーGarrett McNamaraの代わりに土壇場で招集を受けて初出場となったBen LargがAndrew Cottonとのチームに加わり、ナザレの波に鋭いカーヴィングを刻んでインパクトを与え、その実力を証明する形で表彰台に上った。

第一子を産んで復活を遂げたJustin DupontがまたしてもWOMENS優勝を飾る!

第一子を出産して再びビッグウェイブ・コンテストシーンに返り咲いてきたJustin Dupontは、さらにパワーアップしたそのパフォーマンスでナザレの波に美しいラインを描き、またしてもWOMENS個人優勝に輝いた。

彼女が大会を通してトータル8本もの波を掴んだその一方で、チーム・パートナーのEric Rebiereは1本しか乗れなかったが、それでもチーム順位において4位となる活躍を魅せた。

Justine Dupont. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.
Justine Dupont. Photo by Laurent Masurel/World Surf League.

「以前はとても恐怖を感じていた。」Justin Dupontは言った。「でも出産後の今は子供が寝ているか、食べているかの方が心配です。少なくとも私の心は恐怖から解放されています。私たちは家族のチームであり、お互いを理解しており、ここに戻ってきてパフォーマンスできることを本当に嬉しく思います。Eric Rebiereを良い波に乗せてあげられなかったことが少し残念です。本当に波が凸凹したコンディションでロデオに乗っているような感じでした。」

YUKI BRANDチームのMichelle des BouillonsがWOMENS準優勝に輝く!

Michelle des Bouillons. Photo by Laurent Masurel/World Surf League.

WOMENS準優勝に輝いたのは、日本発のワールドワイドなサーフブランドYUKI BRANDチームのMichelle des Bouillons。

同じくYUKI BRANDチームの1人であり、今大会のチーム・パートナーでもあるIan Cosenzaが彼女をこの日最大かつクリーンな波に乗せたことが勝因となった。

Nic Von RuppとClement Roseyroが彼らにとって初となるチーム優勝を決める!

第一ヒートに出場したNic Von RuppとClement Roseyroのチームは、序盤からClement Roseyroが今大会のハイエスト・スコアとなる7.50ptを決めたことでリードを奪った。

Nic Von RuppはClement Roseyroを数本の最大級の波に乗せることに成功し、それに応えるかのごとくClement Roseyroがナザレのリスキーなセクションに誰よりもソリッドなビッグカーヴを描いたことでチームを優勝に導いた。

Nic Von Ruppも命懸けのギリギリのセクションを攻め込み、ハードなワイプアウトを喫しながらも素晴らしいライディングを重ねてバックアップスコアを伸ばした。

Nic von Rupp of Portugal and Clement Roseyro of France surf in Heat 4 – Group A of Session Two at the TUDOR NAZARÉ Big Wave Challenge on February 18, 2025, at Nazaré, Portugal. Photo by Laurent Masurel/World Surf League.
Nic von Rupp of Portugal and Clement Roseyro of France win the Best Team Performance at the TUDOR NAZARÉ Big Wave Challenge on February 18, 2025, at Nazaré, Portugal. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.

「最初のヒートではかなりワイプアウトしてしまいました。波がとてもバンピーで凸凹していた中、精一杯プッシュしました。」Nic Von Ruppは言った。「昨年は勝てるはずだったのに優勝を逃してしまったので、今年は死に物狂いで練習をして戻ってきました。シーズン中、本当に長い時間をナザレでの練習に費やしてきました。今日Clement Roseyroが2本の良いスコアを出してリーダーボードのトップに立ったことに満足しています。」

Lucas Chianca. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.

昨年の優勝チームであるLucas ChiancaとPedro Viannaも逆転を狙って強烈なチャージをみせ、2ヒート目でかなりの追い上げをみせたが、あと一歩及ばず、今大会は準優勝という結果となった。

Pedro Vianna. Photo by Damien Poullenot/World Surf League.

Pedro Viannaはインタビューで、

「本当にタフな1日でした。波はそれほど大きくなかったけど、風が強かったので面がかなり凸凹していました。すべては最高の波を選ぶことに尽きる。」
とコメントを残した。

大会結果

【MENS個人ランキング】

【WOMENS個人ランキング】

【チームランキング】

現地時間の2/19(水)より、ナザレに10mのさらなるビッグウェイブが押し寄せる予報!?

ポルトガルのナザレを舞台に行なわれたTUDOR NAZARÉ Big Wave Challengeは、こうして無事に幕を閉じた。

が、現地時間の2/19(水)より、ナザレに10mにも及ぶさらなるビッグウェイブが押し寄せる予報となっている。

大会が終わった後に、ナザレは本当の姿を現すことになるのか!?

その動向からも目が離せない!!

>>WSLオフィシャルサイト

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ