Interview by Takako Okada.

2018ボディーボードワールドチャンプの鈴木彩加、

世界的レジェンド・ボディーボーダー、

マイク・マイクスチュワートの

パイプライン・コンテストのメンズ部門に

女性初の招待選手として参戦!

悪天候のコンディションでラウンドアップし、

世界からさらなる注目を浴びる。

 

このパイプラインコンテストはどんな大会ですか?

マイクスチュアートが開催する招待制の試合、ワールドツアーのTOP24名プラス招待選手8名、ワイルドカード4名、36名のメンズに4名の女性が参加して女性の勝者も決めます、
昨年はなかったのですが、私は2016,2017年で優勝しているとても思い入れのある試合です。
また、2019年からはapbのメンズの初戦を兼ねたています。

招待された時はどんな気持ちでしたか?

マイク・スチュアートさんから話しがあり、世界のTOP8名と協議し決定した上で、メンズの試合に女子ひとり招待選手として参戦することになりました。また私の他に、トライアルで勝ち抜いた3名の女子も参戦しました。プロとしての試合なので、女性だから男性に劣るようなボディーボードを絶対にしたくないと強く思いました。

 

 

マイク・スチュアートさんはどんな方ですか?

大大大レジェンド、ケリースレーターもレスペクトするボディーボードのパイオニアでビックウェーブも乗りこなす、50才を過ぎて未だに現役選手。とても気さくでボディーボードが大好きな方です。自然の動きを全て知っている動き、パフォーマンスをします。無駄がないから、今もまだどんな波でも十分にやれるんだと思いますし、今だにパイプラインに乗らせたらマイクさんが一番上手いボディボーダーだと思います。マイクさんは、必ずその日のベストの波に乗ってくる、自然を読んでいるような気がします。本当に素晴らしい方だと思います。

 

 

試合はどうでしたか?

パイプは波が大きくなる予報が出ていて、風もオンショア、本当にやるのかな?という状況でした。予報は10-15 feet、この日が一番サイズかあるというマイクさんの判断で、コンテストが開催されました。

ラウンド1、試合時間は20分、あのサイズのオンショアのコンディションが初めてだったのでアウトに出れるか少し不安でした。ですがスルッとアウトにパドルアウトできてまずは一安心。また、毎日パイプで練習していたので、2nd、3rdもブレイクしてキツイ状況でしたが、何故だかパイプラインに守られている氣がして、とても安心感がありました。そして誰も入ってないパイプラインに興奮しました。パイプラインは本当に特別で、最高の場所です!

ラウンド1は、6ポイント、と4ポイントをエルロロという技でスコアしました。

男子ワイルドカードとパイプのドローカルの選手も同じヒートにいましたが、その日のコンディションはあまり得意ではない選手でした。
ディエゴ選手とパトリック選手は世界ランキングTOP 24 の選手ですが、パイプでのキャリアが少なかったと思います。

パイプは凄く特別な場所、あの波を読めないと勝つことはできない。
私の波のチョイスが彼らより良かった、コンディションが私にとっては有利だった。
グラッシーだった10feetだったら、又違った状況になったかもしれないですが、コンディションの変化も試合の一部です。

ですが実際メンズの試合でポイントもつかないですし、あまり試合に勝とうとは思っていなくて、私らしいボディーボードをして、女性としてパイプラインで波乗りできるんだぞっていうのを見せたかっただけなのです。

海に上がったてから、仲間が喜んで勝ったことに気がつき、もう1回このハードなコンディションで試合か…と実は思っていました、ヤバイ、メンズ倒して嬉しいけれど…みたいな。

 

 

Photos by Naoya Kimoto.

 

ラウンド2
1試合目の1時間半後、パイプはさらに脅威を増していました。サードリーフがバシバシブレイク、アウトがどこだか、同じヒートの選手も見えない、サードリーフのセットの嵐、ウエストとノースからセットが入ってきて乗れる波がなかなか来ない、唯一ギリギリで残り1本 ハイポイント 6.5点を出し、あともう一本波に乗って2点出していればクォーターファイナルへと進出できました。
本当にあともう一本テイクオフできていれば。

 

試合中は怖さは除外されます。波を見て、私に何ができるか、ということだけを考えているので、他の要素は頭に入ってきません。
ゾーンに入っているから気にならないのです。なので後から映像で見て、本当にヤバイ状況だったんだなと思いました。

このラウンドに勝っていればクオーターファイナルへ進出でした。
終盤はプライオリティーを持っていたので、雪崩みたいな波を他の選手が乗ってきた際、私がその波に乗りさえすれば勝てていたかもしれないのですが、見おくちゃった、勝とうとしてなかった。女子の試合ならいってました。でも来年は譲りません、この試合で男子と対等に試合が出来ることがわかったので、来年からはコンペティターとして男子と対戦します。

この大会で優勝したボーイフレンドの方について、教えてください。

彼はマック・クリアリー
マウイ島出身のハワイアンです。
ドロップニーとスタンドアップボディボードが得意な選手でハワイツアーではチャンプになっています。
今回彼にとってパイプラインで優勝したのは初めてで、2位はワールドツアーのチャンプのサミーでした。

 

試合がない時は私はマックの応援に回りました。サードリーフがブレイクしているハードなコンディションでドロップニーは厳しそうと彼は終始不安でしたが、私が背中を押しました。
ですがそんな不安も見えないほどに彼は素晴らしいパフォーマンスをして、見事、優勝することができました!!

花丸200点の試合運びで、彼を褒めてあげたいです。

彼は今年きっとワールドチャンプを取れると思います。自信を持って、強気でやること。でも実際の彼は、すっごい優しくて、あんまりコンペティター向きではないんです。それだからきっと私と一緒にやっていけるんだと思います。どっちもコンペティター素質すぎるときっと張り合ってしまって大変だと思うので、私にとっては彼の存在がとても大切です。

パイプラインはどんな特別な場所 ?

とても大きな地球のパワーを感じる事のできる世界最高峰のポイントで、メキシカンパイプラインなど他のポイント名にもコピーされる程有名です。世界のトップの選手が集まる、サーファーの夢の聖地でもあり、良い波に乗ってサーフィンの写真や映像を残したり、この場所で行われる試合で勝つことは、世界チャンピオンに匹敵するほど価値のある事だと思っています。そんなとても特別な場所です。

私はここで、まだ乗りたい波に乗れていない、生涯かけてパイプラインで波に乗ろうと思ってます。バキバキのウエスト8-10 feetをピークから乗りたいです。今回のコンディションは残念ですが、来年が楽しみです。フリーサーフィンでは人が多いので乗りたい波に乗るのは大変ですが、いつか乗れるようになると思います。

今後の予定は?
4月5日までハワイ、その後日本に2-3週間
4月末〜6月 メキシコ
7月 チリ ワールドツアー
8月 オーストラリアとインドネシア
8月末か9月日本
9-10月 ヨーロッパ、 ポルトガル、モロッコ
11月日本帰国予定

今年もワールドタイトルをとりにいきます。が、今年は試合よりもやりたいことがあるので、そちらにより熱を注ごうと思っております。それはYouTube配信です。

カラーズを読んでいる人へ

ボディーボードはとても奥が深く難しいスポーツです。どんなスポーツも突き詰めれば難しくて、他のスポーツと比べることは出来ないと思っております。
なのでよくサーフィンと比較されますが、サーフィンはサーフィンの難しさがあり、ボディボードはボディボードの難しさがある。
また、試合で勝つためには人一倍の努力と頭を使わないと勝てない。どんな試合でも1番になることは凄いことです。
でも勝てないからって、逃げ道を作る人が多い、逃げてもいいけれど、負けを恐れて戦いから逃げた人が今もまだ努力し戦っている人を悪く言ってはいけないと思います。
正々堂々と勝負してほしい、
どのスポーツもこのスポーツだから難しいと比べるのでなく、そのスポーツで頑張っている人を、日本人として誇りをもって、応援してほしい。
どんな小さな試合やクラスでも、優勝、一番になることはとても凄いことで、素晴らしいことだと思うんです。否定ではなく、その価値を大切にして、お互いに褒めあってもいいと思ってます。

みんなポジティブにお互いに良いところ見つけあって、褒めあっていきましょう。
その方がお互い成長しますし、幸せな人生になります。
またそうすることで、このサーフィン業界も伸びていくことでしょう。

また、告知になりますがyoutubeを始めたので見にきてください。
私の世界遠征中のライフスタイルや私の友達との面白い世界が見れますよ!
私と一緒に世界遠征に来ている気持ちになってくれたら嬉しいです。
宜しくお願いいたします。

あとyoutubeを始めたので見にきてください。

URL https://www.youtube.com/channel/UCEtWbl01y8NK8UCh1D5wh9g
ツアーやライフスタイルを見て、私と一緒に世界遠征に来ている気持ちになってくれたら嬉しいです。

3月17日(日) FMヨコハマのオンエア「SHONAN by the Sea」8時25分前後からのコーナー「BAREFOOT LOUNGE」に出演します。
ぜひ聞きいてくださいね!!

鈴木彩加
@ayakasuzukii

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ