Photos & Text by Chihiro Yoshinaga.
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生粋の四国出身フォトジャーナリスト吉永智尋による
【From 459-0901】では、完璧に場所を明かすことのできない
ローカルオンリーのシークレットスポットで繰り広げれた
459ボーイズの西3兄弟と幸総一郎による熱いセッションをお届け!!
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笑い声残るプールサイド、ビーチには左右色違いの履き忘れたサンダル。
なぜか大きく聞こえる打ち寄せる波音が、夏の思い出を遠いモノに感じさせ、
バス停には寝不足顔の学生が並び寂しくも夏の終わりを感じさせる。
すっかり朝夕は涼しくなり、早くも秋を感じさせる四国。
思い返せば
「今年は夏がなかった」
と言うほど天候や波に恵まれない日々が続き、
8月上旬の記録的豪雨は全国的にも記憶に新しいと思う。
ここ東洋町、また隣の海陽町では家屋の浸水被害や土砂災害なども多く、
たくさんの住民に被害が及んだ。
しかし決して奪うだけが自然ではないだろう。
長く降り続いた雨は山に潤いを、
山から流れ出た養分を豊富に含んだ水は海に恵みを与え、
きっとこうして四国の豊かな自然のバランスは保たれているんだ。
そう思いたい。
そして、見た事ないほど大きく口を開いた河口では
ローカルサーファー達がきっと来るであろう一瞬を
痺れをきらしながら待っている。
そんな9/1(月)、四国某所。
Above : Shuji Nishi. Below : Soichiro Yuki.
Above : Yuji Nishi. Below : Soichiro Yuki.
ただ板に乗って、ただ波に運ばれる。
ただそれだけの事なのにどうしてこんなに夢中になるんだろうか?
板を片手にその日一番の場所に、その日一番の時間に行けば
最高の仲間と最高の時間を過ごせる。
波に運ばれる一瞬の時はどんな事さえも忘れて、
それが最高の波であれば一瞬のその時間は一生のモノになるだろう。
しかし残念な事に最悪な事も近年増え続けているのは事実だ。
ローカルに大切に守られてきたポイントに見知らぬ顔が増え、
ロング禁止なのに、サイズが小さいからとロングがラインナップし、
中にはリーシュ無しで入るサーファーもちらほら。
上級者が集まるポイントには不安定なパドリング。
海の中だけではない、陸の上でもマナーの悪さ、常識のなさは悪化している。
その背景にはこういったメディアや個人SNSで
多く掲載される様になったからといった事ももちろんあると思う。
新しいポイントを知ったから行ってみよう。
人少ないから大丈夫。
良い波乗りたいから。
でも考えてもらいたい。
自分のスキルやそのポイントに本当に自分は入れるのか?
確かに海は誰のものでもないかもしれないけれど、
大切に守り続けている人達の思いがあるし、
何十年も守られてきたポイントがそんな身勝手な行動でサーフィン禁止”なんかになったら?
この夏、全国的にもサーフィンの事故が多かったことは皆様もご存知のことと思う。
生見海岸でも僕の記憶の中では一番と言って過言じゃないほど多くの救急車がきた。
河口では1キロも流され、最悪の事態になりそうな事もあった。
ルールを守らない者同士が海の上で喧嘩して警察がきた事もあった。
この夏こういった事が増えたことから、四国のローカル達は少し厳しくなるかも知れない。
しかし一瞬しかないその時を最高なものとしたいのならば、
決められたルールはきちんと守ることはサーファーとしてのマナーであり、
陸上での人間同士の付き合いと何ら変わらない、
ひとつの大切なスキルだと皆様にご理解頂けたらと思う。
また、今回紹介させて頂いたポイントは
完全ローカルオンリーとなっております。