DEEP北海道エリアから車を走らせること7時間。
grace team御一行が目的地にたどり着いたときには、
すでに深夜も深まる頃だった。

 キャンプ場のバンガローに荷物を降ろし、
死んだように眠りについた面々は、
その数時間後、早朝4時半に起床し、
とあるポイントブレイクへと向かった。

 波は予想通りサイズを落としており、
見た目コシムネサイズのスモールコンディション。
 しかし、風が合っていたことと、
何よりも気持ちが良いくらいに天気がよく、
とりあえずはセッションすることになった。


From leftside,Kenta Sakakura,Aoi Watanabe,Yutaro Watanabe,Hyota Kitaura
shared one happy wave together.
 小さな波でも、大きな幸せを実感できた。


b/s Ripping by Kenta Sakakura.


Yutaro Watanabe made Big carving on small wave.


Glide by legend of Hokkaido Noboru Tagawa.


Avobe:relax surfing with so many birds by one of Hokkaido’s hard loco surfer
,Mayuge-san.
Below:Aoi Watanabe trys to fly as a bird.

 上の鳥が飛んでいる写真で波に乗っているのは
“まゆげさん”と呼ばれるお方で、田川昇氏の後輩的な存在。
 北海道エリアの、古くからの横乗リストで、
ハードロコ・サーファーのひとりでもある。

 その下にある飛翔しようと空を目指しているのは
grace teamの若手ライダー渡辺藍。
 藍はこの日、セッションが始まって早々に
エアリバースをメイクし、それで一気にコツを掴んだのか、
そのあと何発かメイク気味なエアリバースをみせた。
 このトリップ期間中だけで、藍のサーフィンが
急激に進化したことが目で見てわかるほど、
それはそれは大きな変化であった。

 しかし、沖縄のシーサー比嘉力夫と、
grace shaper谷内太郎の言葉を借りるならば、
「まだまだ”クワガタ”は早いな(笑)」
なのである。

 クワガタとは、
次の写真で北浦俵太が乗っているgraceの人気モデルの名称で、
クアッド(4フィン)にクワガタ型のテールという組み合わせが
非常に特徴的なボードである。


b/s air by Hyota Kitaura with Kuwagata model.

 クイックなドライブ感、高いコントロール性に、
クアッドならではの直進性が加わった、
膝波から頭オーバーの波まで対応できる
オールラウンド・ボードだ。
 そんなgraceのシェイパーを務めるのが、
次の写真でレイバックをロングボードで決める谷内太郎プロ。
 プロロングボーダーでありながら、
ショートボードではパイプラインの波を滑るほどの
ハードコアサーファーでもある。


Layback slash by Taro Taniuchi, Who is a shaper of grace surfboards,
and a pro surfer too.

 波が良くなってきた頃合いを見計らって、
“トッコさん”こと関谷利博プロが入水してきた。


Toshihiro Sekiya is a famous in japan as a Japanese Top pro surfer.

 この日は関谷プロのサーフィンのあまりの上手さに驚いた。
 腰痛により、今回は映像撮りに徹していた関谷プロであるが、
ひとたび波に乗れば他の若手ライダーの誰よりも魅せてくれる
トッププロの熟練した技、そこに”匠”を感じずにはいられなかった。

 この日は正午より曇り始めたが、
波は予想通り少しサイズアップしてきていた。
 今回のツアー最終日を翌日に迎え、
果たして波は上がるのか?!

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ