いよいよ3回目を迎える
Naki氏との共同企画である

このコーナー、一枚の写真に込められた想い、

そしてバックストーリーをお伝えしていく
“Naki’s ニコリンサーフ・ライフスタイル”!
今回はこちらの写真に込められた想い、
ゆるりお楽しみください。

Photo&commented by Naki. Text by colorsmagyoge.

これはアニーにサーフィンを教えているところの
写真なんだけど、サーフィンには”教える楽しみ”
っていうのもあるよね。

そうすることで自分も楽しくなってくるというか、
見た通りこんなオンショアの小さなスープ波でも
スクールに来た初心者の方や子供が喜んでいる笑顔を
見たりすると自分までうれしくなってくるものでしょ。
でも、
初めてボードの上に立って波に乗ったときの感動って、
サーフィンを続けていくにつれて忘れがちだと思うんだ。
例えば「波よくない」とか言って
楽しめなくなったりとかさ。

でもこうして教えてあげることで
相手がすごく喜んでくれて、それを見た自分に
その喜びが還ってくるというのかな。
だから、ループしてるよね、喜びって。
ちょうどつい先日、湘南から佐賀さんがいらしていて、
「やっぱりこっちはいいな。人もいなくて波もいいし。

湘南なんて波が上がるとすごく人が多くて
数時間入っていても1本も波に乗れない人が
たくさんいるのにな」
なんてお話しをされていた。
そこで俺は
「たとえば1時間に1回でもいいから
時報でお知らせして、それから少しの時間でいいから
乗れなかった人たちが波に乗れる時間を作ってあげる
というのはどうでしょうか」
という提案をしたんだ。

そうすれば、波に乗れない人がいなくなるから、
より多くの人たちがサーフィンを楽しめるようになるでしょ。
特に波の小さいときなんかはいいと思うんだよね。
そうすることで、
多くの人とのコミュニケーションも生まれるだろうし。
だってたくさん波に乗っている人がいるのに、
全然乗れない人がいたら、
乗れない人たちは乗ってばかりいる人たちのことが
憎くなってきちゃうものでしょ。

そういうのってあまりよくないと思うし、
それよりもみんな楽しめて仲良くなれる環境を
作ってあげることが、これからのサーフィン世界には
大切なんじゃないかなと思う。

by Naki

今からおよそ15年前。
自分がまだ18,19歳で、こてこての
コンペティション・サーファーだった頃。
Nakiさんの後を追って
カリフォルニアに一年間サーフィン修行に行ったとき、
一時期、猛烈にサーフィンがつまらなくなったことが
ありました。
「思うようなサーフィンができない」
「思うような波に乗れない」
「サーフボードが調子悪い」
そんな数々のジレンマが、自分をネガティブな気持ちに、
自分自身で陥れていたのでありました。
しかし、
天気も波も良い、とあるカリフォルニア日和のこと。
当時の家から最寄りだった
高架下北側ポイントにてサーフィン中に、
自然と何もせず、波に身を委ねてただボードの上に立って
純粋にglideしてみたことがありました。
サーフィンに対するやる気がまったくなく、
こうなったらただ突っ立ったまま最後まで波に乗ってやろう
くらいの気持ちだったのだと記憶してますが、
実際にはそれがとても気持ちよくて、
改めて自分を、サーフィンが持つ素晴らしさに
原点回帰させてくれたのでした。
今回、この写真に込められたその想いを知ったとき、
今でも忘れられないその経験が、
突如として甦ってきました。
テクニックやスキルでなく、純粋に波に乗る楽しみを
全身全霊で受け止め、体感することの素晴らしさ。
そういった経験を、
さらに多くの人と共有できたら、
それほど素敵なことはないのではないか、
と思います。
と、言いながらも、
気がつくと、その気持ちを忘れがちな
自分でありますが、この先、どんな波でも
Happyな気持ちになれるニコリンサーフ・スタイルを
目指し、より多くのサーファーと海という共通の
フィールドから得られる”喜び”を分かち合っていけたら、
さらに楽しいライフスタイルを過ごすことができるのかな、
と再確認できました。
上達していき、”人に勝つこと”を目指す以前に、
まずは”己に打ち克つこと”。
その先に究極のサーフィンがあるような気がした、
今回のこのコラボ企画でありました。
たとえ小さくても大きな幸せをくれる、
狂おしいほど愛しい波に、今日も感謝。

by colorsmagyoge

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ