Photos & Text by colorsmagyoge.

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トリプルクラウン第2戦ASP PRIME”VANS WORLD CUP”のDAY1が

オンとなったハワイ時間の11/25(火)、日本時間の11/26(水)。

日本人サーファーで唯一このグレードの高いビッグイベントに参戦する

大原洋人は、大会が始まる前の早朝からサンセットで1セッションだけサーフへ。

予想通り沖には、練習のために海に入っている選手たちばかりで

「全然乗れなかったです」

と言いながらも、それでも2、3本の波に乗って充分身体をほぐし、

会場から徒歩圏内にあるHURLEY JAPAN HOUSEでヒートに備える。

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大原洋人が出場するラウンド1のヒート13は

ハワイ時間のお昼過ぎくらいに行なわれる予定だったため、

一度関本海渡とパイプをチェックしに行くが、

ノース、そしてウエストからの2方向のスウェルが大きくぶつかり合い、

海全体がどよんどよんした感じのバッドコンディション。

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Above : Pipeline. Below : Kaito Sekimoto.

 

 

サイズは6-8ft、セットはそれ以上ありそうだったので

なんとかできないかと20分以上波を見たが、

結局危ないということになり再びサンセットのHURLEY JAPAN HOUSEへ。

お昼過ぎには大原洋人の専属コーチである糟谷修自プロが到着。

ヒート前の波チェックと戦略を組み立てるべく、

大原洋人と共に一足早く会場へ向かう。

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Shuji Kasuya, Hiroto Arai, Riki Horikoshi, Hiroto Ohara.

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Sunset.

 

 

2013年度のWJC(ワールドプロジュニア)で3位となり、

2014年度のASP PRIME全戦への出場権を得た大原洋人。

しかし、2014年はシーズン序盤にオーストラリアで開催された

QS 6☆”AUSTRALIAN OPEN OF SURFING”で見事9位となった以外は

好成績を残せなかったことから

最終的にランキングを90番台まで落とすこととなった。

このままでは2015年シーズンはASP PRIMEに出場できなくなる可能性が高く、

「最後のサンセットのPRIMEでは、ひとつでも多く勝ちたい」

と、そんな強い思いと共に今回の試合に臨んでいた。

「洋人は自分のサーフィンを出し切ることができれば充分勝てる力を持っているから、とにかく一本一本を丁寧に」

と、コーチの糟谷修自プロからもアドバイスが入る。

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Above : Hiroto Ohara. Below : Hiroto Ohara & Shuji Kasuya.

 

 

この日までサンセットで毎日練習してきた

Eric Arakawaシェイプの6’4″を片手に、いざヒートがスタート。

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Hiroto Ohara.

 

 

が、他の選手たちが次々と良い波を掴むなか、

ヒート開始15分くらいまでまったく良い波を掴むことができず、

プライオリティーを使ってようやく1本目の波にテイクオフ。

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Hiroto Ohara.

 

 

ラウンドハウス・カットバックから次のセクションに向かうも

まさかのクローズアウト。

このライディングは2.27ptとなり、さらにヒート後半に掴んだ波では

2発のカットバックを交えたライディングで4.27ptをマーク。

が、逆転に必要なスコア4.50ptまで後一歩のところで届かず、

その後Granger Larsen(HAW)が7.00ptをたたき出し、

一気に1位のポジションへ浮上。

無念にも4位でこのヒートで敗退となり、

2014年シーズン最後のASP PRIMEを終えた。

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Hiroto Ohara.

 

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Brandon / Hurley Team Manager & Shuji Kasuya.

 

 

わかりやすく言えば、

世界との差を見せつけられた一年となったことであろう

大原洋人にとっての2014年。

試合を終えてHURLEY JAPAN HOUSEに戻った大原洋人は、

「気持ち入れ直して夕方サンセットで練習するぞ」

という先輩関本海渡の言葉も耳に入らず、

少し落ち込んだ様子を隠し切れずにいた。

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Kaito Sekimoto.

 

 

翌日。

風が悪くサンセットでのASP PRIME”VANS WORLD CUP”はレイデイ。

波チェックするもどこもよくないので、

この日は散髪と買い物を兼ねてハレイワの街へ。

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散髪を終え、切り捨てた髪の毛と共に

何かのくぎりを自分の中でつけることができたのか

ポジティブなパワーを取り戻した感のある大原洋人。

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Hiroto Ohara.

 

 

「敵は己の中にアリ」

2014年に味わった悔しさをバネに

2015年、2016年とさらに克てるサーファーに成長してくれるに違いない。

Go Hiroto!!!

Go Japan!!!!!

 

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ