Movie & Photos by U-ske. Text by colorsmagyoge.

 

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今シーズンのハワイにおいて

日本が誇るサーフィン写心家U-skeと、

湘南鵠沼出身のプロサーファー河村海沙によって

残された一枚の写真が、

日本人では初となるHurleyの広告となった。

colorsmagでは、この一枚に隠されたビハインド・ザ・シーンに注目。

U-skeのコメントをもとに、

普段あまりフォーカスされることのないカメラマンの目線から

この一枚の裏側に残されたバックストーリーに迫ってみた。

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「やりましょうよ! オフザのレフトで1発決めたいです!」

その日の朝、ログキャビンにステイするU-skeは、

河村海沙が叩くドアのノック音によって起こされた。

まだノース入りしたばっかりでゆっくりやりたかったU-skeだったが

「今日きっとチャンスあります!撮ってくださいよ!!!」

という河村の熱い気持ちにプッシュされ、

ププケアの山から太陽が顔を出すのとほぼ同時に

カメラを片手にOTWの沖へとスイムアウトしていった。

波はセットで6ftプラス(トリプルオーバー)が押し寄せる

ソリッドなコンディション。

レギュラー側には何人かのプロサーファーがラインナップしており

それを狙うフォトグラファーたちも数名泳いでいた。

そんななか、あえてレフト狙いのカイサに合わせて

ポジショニングするも、

なかなか波とも河村ともコネクトすることができず、

泳ぎ続けること一時間が経過した頃、

遥か沖から、狙っていたレフトの棚にヒットする

ビッグセットが数本入ってくるのが見えた。

 

「みんなが沖に漕ぎ出したのが見えた。6feet+くらいに感じたかな。俺ももちろんそんなの喰らいたくないから沖へと泳いで、そのセットの1本目にはブラジリアンのやつが突っ込んでいった。俺はそれをぎりぎりパスして沖を見たら、振り返ったカイサが2本目の波に漕ぎ出そうとしたのが見えた。」

 

刺さるか刺さらないか、紙一重ののタイミングで

河村がテイクオフ。

その波は1本目のセットよりも遥かに掘れ上がることが予想された。

 

「もし刺さったら沖へ逃げよう。でもギリギリまで逃げるのはやめよう」

 

一瞬でそう思ったU-skeは

迷わずヘルメットに設置したGo Proのスイッチをオンにし、

ハウジングに入ったカメラを構えた。

 

 

テイクオフをしっかりとメイクした河村は、

さくっとレールをかますとU-skeのいるラインまで

まるで余裕かましてる感じのスタンディングで

バレルを駆け抜けたのだった。

 

「カイサが伸ばす手は波に触れることもなく、チューブの穴はでっかかった。まさにサーファーとバレルでコネクトできた瞬間。あの波で出来上がった作品を見たとき、この何年かカイサがフォーカスして日々やってきたこと、まさにあいつの熱い気持ちがあってこの一枚が生まれたんだな、と感じた。まさに写心だね。」

 

U-skeは、

その瞬間を振り返り、そう語った。

写真として残ることではじめて永遠となったその一瞬が、

いかにほんの一瞬の出来事であるか。

それをお伝えするためにも、

ぜひ下に掲載させて頂いたU-skeによる動画をご覧ください。

 

その瞬間を残すために

プロサーファー、サーフィン・フォトグラファーは

冬のノースショアに何ヶ月もステイする。

 

「こうやってあの1本を残すことができたこと、あの日朝から俺を叩き起こしにきたカイサ、そしてこの作品を形にしてくれたハーレージャパン、そしてこんな感動と情熱を与えてくれる母なる地球に感謝したい。big mahalo!!!」

 

それぞれの情熱がクロスオーバーした瞬間。

そのときのみ、スペシャルな一枚が生まれてくる。

河村海沙プロとU-skeによる本作品は

様々な雑誌に広告として掲載される予定。

それを手に取り、目にした時、

この記事でお伝えさせて頂いたバックストーリーを思い起こし、

より一層その重みを感じて頂けたら、

colorsmagとしても幸いであります。

というわけで、河村海沙プロとU-skeによる

Hurleyの広告、要チェックであります!!

 

>>U-ske.jp

>>河村海沙オフィシャル・ブログ

>>Hurley

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ