Movie by Tay Steele / RedBull. Text by colorsmagyoge.


 

 

2005年。

ウォーター・フォトグラファーのJon Mozoがパイプラインで撮影中に命を落とした。

13年後。

その娘でウォーターフォトグラファーとなったAmber Mozoは、生まれて初めてパイプラインを泳ぎ、父の命を奪った波と対面した。

 

 

「あなた、いつか波にのまれて死ぬわよ」

母はいつも父に言っていた。

父のJon Mozoはオアフのノースショア出身のサーフフォトグラファーだった。

2005年2月9日。

世界で最も死に近い波と言われるパイプラインで撮影中に頭部の怪我を負って命を落とす。

Amber Mozoがまだ9歳の時だった。

13年後。

彼女は世界中を旅して写真を撮ることを生業とする水中フォトグラファーとなった。

しかし、自分の家からすぐにあるパイプラインの波には、まだ対面したことがなかった。

オアフのノースショアを拠点に世界一の水中フォトグラファーとして活躍するZak Noyleは、そんなAmber Mozoの父、Jon Mozoから水中フォトグラフィーについての多くを学んだひとり。

Amberの初めてとなるパイプラインでの水中撮影に備え、岩を抱えて水中を歩行するロック・トレーニングを重ね、ついに迎えたQS3000”VOLCOM PIPE PRO”。

Zak Noyleは言った。

「今日はパーフェクトなパイプラインだよ」

恐怖を乗り越え、父の友人でもあるZak Noyleと共に海へ飛び込んで行ったAmberが、数本の波をダックダイブで越えてたどり着いたその先に、父の命を奪ったパイプラインの波があった。

「なんて綺麗な波なんだろう。」

うるさくて、眩しくて、速くて、初めて見るパイプラインの波に、思わず心奪われた。

「父がかつていた場所に実際に行ってみて、なぜ父が命をかけてこの波を愛し続けてきたかが理解できた気がした」

RedBullのフィルムメイカーTay Steeleによる感動的作品となっております。

 

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ