Photos & Text by ManiaOchi.

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Yukio Ogawa.

 

ゲッティングアウト中に強烈なセットを喰らってリーシュが切れてしまい、

泳いでなんとか手前の岩礁地帯に上陸できた小川幸男だったが、

なんとその岩の上にまで巨大なホワイトウォーターが押し寄せ

ロックダンス状態に。

一瞬、周りにいたメンバーにも緊張が走る。

さらに手前は見渡す限り波が押し寄せる

岩だらけの岩礁地帯だけに怪我の心配もよぎった。

かなり危険な状態に追い込まれ、

初トライでいきなりここの洗礼を受けてしまった小川幸男だったが、

冷静な判断と泳力、様々なリスキーな場面での過去の経験があったからこそ

この場をクリアできたのであろう。

いざという時のリスク・マネージメントを常にここでは頭に入れ、

サバイブできる技術も必要とされる。

まさに危険なポイントでもある。

無事に上陸できたと思いきや、

実はなんと流されたボードを探していたという小川幸男。

左奥の方へ板が流されているのを発見し、

その後、それを追いかけてまた海に飛び込み取りに行くという

かなりの強者な動きを見せていた。

思い入れのあるボードだけに無事にレスキューできて良かったと語る。

幸いにもボードもそこまでハードなクラッシュもなくラッキーだった。

しかし、波が押し寄せる岩の上を素足で

長い時間ロックダンスしてしまっただけに、

足は所々に切り傷と青くボコボコに腫れた状態になっていた。

実際に翌日までボードに乗ると足が痛み、

思った動きができない程のダメージだった。

残念ながらそんなハプニングに見舞われたことから、

海は松岡慧斗と平原颯馬の2人だけでのセッションとなった。

久しぶりのここの波だが今までに通い詰めた経験が豊富な松岡慧斗。

素晴らしいチャージを残しているだけにここの波質は熟知してきている。

徐々にタイミングを見計らっていきながらリズムをつかんでいく。

今回、ここのポイントの波を初めて経験することとなった平原颯馬。

日本でもここの波は別物と過去に訪れたトッププロサーファーが語るように

掘れた波をまじかに見てここの難しさをを感じ取っていた。

まずはパドルアウトするだけでもかなりの経験値がアップするに違いない!

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Soma Hirahara.

 

 

次はレフト方向へ合わせる松岡慧斗。

絶妙なビハインドポジションからのテイクオフでバレルを狙う。

ここの攻め方をかなり熟知したプロサーファーの1人だ。

その後もレフト方向へのセットをつかみとる松岡。

ビハインドからのグラブでねじ込むテイクオフはまさに松岡スタイル!

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Keito Matsuoka.

 

ねじ込んで分厚いリップの奥へと入り込んでいかなければ

バレルの奥へのチャンスは減ってしまう。

ここでの1本をつかむにはかなりのチャージが必要だ。

松岡にとってここの鬼掘れレフトのバレルは大好物な波の一つであるがゆえに

何度もこのバレルのチャンスを狙いチャージ。

その姿はまさにスタイリッシュ!

QUIVERチームの松岡のチャージに触発はされたかのうように

ここでの1本をやっとつかんだ平原颯馬!

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Soma Hirahara.

 

なかなかこの手の波はまだ経験があまりないとはいえ

茅ヶ崎の中学2年生という若さでここでのこの1本は

貴重なこれからの経験値となるに違いない。

この貴重な1本のテイクオフの後に海から上がった平原颯馬も

ご覧の通りの最高の笑顔を見せた。

これからが楽しみなヤングガン!

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Soma Hirahara.

 

 

そんなタイミングで思い入れのあるボードを無事にレスキューし

最高な笑顔で海から上がってきた小川幸男。

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Yukio Ogawa. & Soma Hirahara & Maro san.

 

あれだけリスキーな危険な場面に自ら遭遇し、

足に多少の傷を負ったにも関わらず、

その時の状況を興奮気味に説明しながらその場をなごましてくれた。

沖には松岡慧斗がひとり、セットの波を待ち続けていた。

そしてついにそのチャージが実る時がきた。

それがこのシークエンスだ。

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Keito Matsuoka.

 

この掘れ上がり方といい、サイズといい、

このレフトのバレルを見事にメイクした松岡慧斗。

この瞬間、ローカルの今井さんはじめ見守るギャラリーからも歓声があがった!

ここ最近でのここでのベストライディングに入るであろうこのチャージ!

ぽっかりと口を開いた分厚いリップの中を見事なレールワークで

スピッツと共に抜けてくる姿はさすがの一言!

ここぞとばかりに確実に決めてくる松岡スタイルが

見事にここの波にマッチした瞬間だった。

そのまますぐさま、また次のセットを狙う。

そしてしばらくは松岡ひとりによる

松岡劇場 in 2015日本海THE DAYが繰り広げられた。

ライト、レフトと次から次へとセットを攻めていく。

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Keito Matsuoka.

 

 

そんな松岡慧斗によるワンマンチャージ、

松岡劇場 in 2015日本海THE DAYを見守る仲間達。

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Imai Roku san, Yukio Ogawa, Kiyoshi Kaneda, Kawano san.   

 

それを見ていて火がついたのか、休憩から戻ると

すぐさまウェットに着替えて戻って来たのは村田恵司と金田輝士の2名。

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Keiji Murata & Kiyoshi Kaneda.

 

 

そしてこの後に足をロックダンスで痛めた小川幸男も

すぐさまラインナップに復帰!

2015日本海THE DAYスペシャル・セッションがスタートとなった。

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とはいえ時はすでに夕方前、

冬の日本海の夕暮れはもう5時前にはかなり暗い状態。

シャッターの切れる時間も限られており、

暗くなるまでの短時間でのファイナルセッションとなった。

松岡慧斗の体をねじ込ませてバレルに合わせるバックサイドでの

このレフトのチューブには脱帽!

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Keito Matsuoka.

 

 

大きなセットをつかんだ金田輝士。

残念ながらビハインドからうまくバレルへねじ込む事はできなかったが

この大きなボトムターンからもこの波のサイズが

どれだけのパワーある波かがうかがえる。

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Kiyoshi Kaneda.

 

京都はBANKSの若旦那、ビッグウェイバーの村田恵司も

夕方の時間での貴重な1本をゲット!

もうちょっとビハインドから上のライン取りで

バレルの奥にねじり込みたかったと残念がっていたが

この日の波の中でも見事な1本となった。

このど迫力な波にチャージできる関西でも数少ないサーファーのひとりだ。

今後のここでの目標もでき、

この冬のハワイでの若旦那のハードチャージが楽しみだ。

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Keiji Murata.

 

さらに今度はライト方向へのバレルを狙ってテイクオフ。

村田恵司本人曰く、あまりの危険な掘れ方に危険を感じ

一瞬の判断で突っ込むのをやめたという。

危険なリップを喰らい板が折れるか体が壊れるか。

凄まじい波だったに間違いない。

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Keiji Murata.

 

初のここでのチャージでまさかのリーシュが切れ、

ボードが流されて泳いで戻るという苦い思いをした小川幸男だが

後半戦はご覧の通り!

シャッターチャンスも暗さでギリギリではあったが

夕暮れ寸前の風も弱まった貴重なクリーンなレフトをものにした。

ここでの初トライでなかなかこのような波にも巡り遭えないケースもあるが

最終ラウンドでのこの1本は最高の思い出になったに違いない。

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Yukio Ogawa.

 

そしてその直後に今度は松岡慧斗がレフトバレルをメイク!

小川幸男の後を追いかけるかのようなこの連続レフトバレルはまさに神業。

小川幸男もパドルアウトしながら横でこれには思わず手を挙げストーク!

松岡慧斗のライディングに歓喜した!

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Keito Matsuoka.

 

これぞまさに2015日本海のTHE DAYにふさわしいスペシャルセッション!

そして気がつけば辺りはもう夕闇につつまれる時間がきていた。

沖を眺めると漁火が水平線を彩っていた。

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そして夕方のこの時間でのサイズから

サイズの変化に何が起こるかわからない日本海だけに

この翌朝も波が残ると次の朝一に期待をよせてた。

残念ながらQUIVERクルーは予定があったため、

このセッションを最後に帰路についた。

そして次の日の朝、現場に到着してみると、もう少し残っていると思ったが

思ったよりも高気圧の影響か天気も良くあたたかく

ウネリは残っているもののサイズダウン。

それぞれ残ったメンバーは昨日のハードなセッションの疲れを残しながらも

ゆったりとサーフィンをすることに。

気持ちのいい時間を共有した。

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Yukio Ogawa.

 

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Kiyoshi Kaneda.

 

 

この朝一に高知から遥々ここへやってきた島崎誠くん。

彼もまた高知リバーマウスをホームとするハードコアサーファーだ。

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Makoto Shimazaki.

 

通称”番人”のヘルメットがトレードマークのえいちゃん。

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Bannin Eichan.

 

サイズはなかったものの午前中の1ラウンドをこなし、

それぞれ解散することとなった。

今回のセッションも一時は波のコンディションが悪く、

どうなるかと心配したが、まさかの日本海マジックに助けられた

素晴らしいメンバーとのセッションとなった。

これもまたローカルの今井さん、ローカルサーファー、

日本海の波に感謝とリスペクトの気持ちを忘れずにまた訪れたいと思う。

その日の夕方には素晴らしい夕日が迎えてくれた!

これぞまさに夕日マニア!!!

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またここでどんな波、セッションが繰り広げられるのか楽しみである。

 

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2015年度もcolors-magazine.comをご愛読頂きありがとうございました。

2016年もさらにパワーアップしてみなさまへ

より面白いコンテンツをお届けできるよう、

クルー一同邁進していく所存でありますので、

来年度も何卒よろしくお願い申し上げます。

良いお年をお迎えください。

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yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ